特集 地域リハビリテーション—保健活動にどう生かすか
[機能訓練教室から中途障害者作業所を生み出した横浜市の活動]
泉区中途障害者地域活動センター開設への取り組み
有園 田鶴子
1
1横浜市緑区福祉保健サービス課
pp.812-815
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901647
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はじめに
中途障害者地域活動センター「パワーステーション元気かい(以下,元気かい)」は,平成8年10月1日に横浜市泉区に誕生した。脳血管障害による後遺症などの障害を持つ26人の中途障害者が,ビルの2階(約186m2)を借り,さき織りマット,箸置などの自主製品づくりと障害者同土やボランティア,地域の人との交流活動をしている(「元気かい」の活動については本誌9月号Photo欄683ページ参照)。
横浜市は機能訓練事業の一環として福祉局長寿社会課保健担当所管の「地域活動センター設置運営要綱」に基づいた補助事業を,平成7年度より開始した(当時は「地域作業所」で平成8年度より「地域活動センター」に変更)。事業では,中途障害者地域活動センターの目的を,①通所そのものが日々のリハビリと直結する生活に密着した機能訓練,②自己存在・自己実現の再認,③社会性の拡大,④自分たちのための機能訓練の場として再発防止,健康管理などのセルフケア,⑤相互交流の中で他者理解へと発展し,より深い仲間との関係性,としている(「運営の手引き」より)。平成7年度には,市の補助対象施設としての中途障害者地域活動センターが市内で2か所開設して,泉区の「元気かい」は市内3番目の活動センターとなった。
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