特集 地域リハビリテーション—保健活動にどう生かすか
[機能訓練教室から中途障害者作業所を生み出した横浜市の活動]
中途障害者と共に—第1号作業所開設とその後の活動の過程で
横山 宏美
1
1横浜市港区北区福祉保健サービス課
pp.802-806
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901645
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はじめに
港北区での中途障害者の課題は,①個々が抱える偏見や価値観,家族の負担や協力,②地域住民の障害への理解,③物理的環境,④福祉制度や医療に関する情報などであることが活動から浮き彫りになっている。つまり,当事者は個別のニードを持つ一方で,個人では解決し得ない多岐にわたる課題を抱えている。
保健婦はリハビリ教室の位置づけを,個々に訓練するだけでは解決し得ない問題をリハビリに関わる人々が相互作用によって各々の意識を発展させることと,生活と地域社会とリハビリを結合させることと考え,当事者の声を大切にしようとした。この考えは作業所づくりをしていくうえで重要であり,その後の活動にも大きく影響を与えた。本稿では,その点を中心に横浜市での最初の中途障害者作業所づくりを紹介する。
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