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作業所が当事者を変える、社会の“常識”を変える—パワーステーション元気かい 横浜市泉区中途障害者地域活動センター
八木 保
pp.683-686
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901623
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本号では,人々のものの考え方や通念をとらえ,それに対応した活動をすることが保健婦に求められていることや,変化する人々の生活観と保健活動の葛藤について特集した。特集の井伊論文では,中途障害者のための作業所づくり支援において,中途障害者に対する世間の常識との葛藤を克服していくエピソードをご紹介いただいた訳だが,本欄では井伊氏らの活動の流れを組む作業所の模様を紹介する。
今回取材した「パワーステーション元気かい」(以下,“元気かい”)は,昨年10月に泉区(横浜市西部)にオープンした横浜市内3番目の中途障害の人のための作業所である。“元気かい”開設の契機は,泉区で脳血管障害などで麻痺になった人は病院リハビリを終えた後,在宅で区の機能回復訓練教室へ通うことになるが,教室修了後の行き場がなく結局家庭に閉じこもって機能低下を起こしがちだったこと。そこで,中途障害者が残された機能を使って自主的に活動やレクリエーションを行う場をめざすことになり,福祉局が助成し運営委員会が実施する事業として1995年5月に準備会が発足した。そして,機能回復訓練教室OBの会(泉睦会)やボランティアの協力,ケースワーカーや保健婦の支援を得て開設にこぎつけたという(開設までの詳細な経過は次号特集で紹介する)。
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