特集 保健活動のパラダイム・シフト
[学際からのアプローチ]
システム工学
山本 勝
1
1名古屋工業大学
pp.1010-1016
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901469
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はじめに
今から30年以上も前に,米国において月への有人飛行「アポロ計画」が大成功を納めて以来,有形無形を問わず,すべてのものが好んでシステムと呼ばれるようになってきました。特に,産業界においては,システムあるいはシステム化は,効率化,能率化,生産性向上のための1つの有力な手段として大いに歓迎されてきました。そして,このシステムあるいはシステム化の流れは産業界のみならず,私たちの日常生活や社会活動にも入ってくることとなりました。この結果,私たちの身近にも,在宅ケアシステム,健康管理システム,地域ケアシステム,母子保健システムなどをはじめ,多くのシステムが次々と誕生することとなりました。また,最近では,システムづくり,システム化計画,システム設計,システム開発などの言葉もよく耳にします。
ところで,このシステムとは一体何でしょうか。何となく理屈っぽくて,少々難しそうな感じがしないでもありません。そこで,本稿においては,システム工学の立場から,このシステムとは何かを紹介するとともに,このようなシステムを効率的かつ効果的に構築していくための見方(システム概念),考え方(システム思考)および進め方(システム・アプローチ)などについて解説します。
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