講座 ニューメディアと病院・14
病院のシステム化と情報システム
岡田 行雄
1
Yukio OKADA
1
1日本通信協力(株)情報処理事業本部
pp.942-943
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208709
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病院と情報システム
「よい医療,よい経営」を目指して病院におけるシステム化が進められる.システム化とは,既に述べているごとく,単にコンピュータを導入することでなく,医療機関相互あるいは院内各部門が,よく連携し,共通の目的をいかに効率よく達成させるか,その仕組みを作ることをいうのである.この仕組みを情報の流れとして捉えたものが情報システムで,そのツールの一つとして各種のニューメディアがクローズアップされているわけである.したがって,ニューメディアは単独で機能する機器とは異質であることから,その活用,応用をみていく場合,もう一度基本に戻って,システム化の進め方について考える必要がある.
システム化の出発点は問題の存在にある.問題をいかに明確に認識するかが重要であり,問題意識のないところ,問題を自分のこととして受け止めないところでは,システム化といっても形だけの実効の少ないものとなる.またシステムは自分自身あるいは関係する人々すなわち人が中心となって作り上げるもので,機器はあくまでもツールであり,問題に当事者がどのように対処するかがシステム化の基本である.
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