連載 新たな高齢者介護保険制度について・1—保健指導室からの便り【新連載】
これまでの経緯
島田 美喜
1
1厚生省健康政策局計画課保健指導室
pp.406-409
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901362
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,保健・医療・福祉行政は大きな転換期を迎えようとしています.この中でも平成6年7月に制定された「地域保健法」では,地域保健対策の枠組みを再構築し,都道府県においては,広域的・専門的・技術的拠点としての保健所の機能強化に,各市町村においては,住民に身近で頻度の高い保健サービスを一元的に提供する体制の整備に積極的・計画的に取り組むことが必要となっています.
そして,もう1つの大きな流れは,現在老人保健福祉審議会において検討されている高齢者介護保険制度があります.新聞紙上などでは住専問題やエイズ関連の記事に紛れて小さい扱いではありますが,各方面からの議論が巻き起こされています.例えば,「保険あってサービスなし,ということにならないのか」「福祉を増税の隠れ蓑にしているのではないか」「自治体によってサービスの格差がより大きくなるのではないか」などで,これらは高齢者対策への関心の高さの現れだと思いますが,さまざまな観点からの意見が出されています.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.