FOCUS 保健師の判断と支援内容を抽出する! 関係者の連携と地域の変化に着目して
事例検討会に至った経緯
村嶋 幸代
1
,
伊藤 民子
2
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学分野
2元東京都西多摩保健所
pp.822-823
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100201
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保健師の「判断」とは何か
「保健師が用いている支援技術を明確にしたい!」――これは,保健師として働き,もしくは保健師教育に従事する者に共通の願いである。とくに,事業以外の保健師の個別支援活動が地域の人々の「困りごと」に端を発したり,予防活動であったりするために,その効果を数量で示すことは難しく,事例を通して示すしかないのが現状ではないだろうか。その際,保健師はさまざまな「判断」をしているが,この「判断」が保健師が専門職として独自性をもつ部分である。
しかし,そのような保健師の「判断」はなかなか言語化されてこない。熟練保健師たちは,「ごく普通の会話のなかで,対象者の情報を収集し,瞬時に判断して次の会話に進み,関係が切れないようにして,次に必要な一歩を踏み出している」のであるが,こういう行動と判断について,現職保健師自身が書くことは難しく,根掘り葉掘り聞き出してやっと語られてくるのである(実際,この文章の「 」部分も,今回,事例検討を6回重ねて,実感としてわかってきたことである)。
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