連載 UIC大学院生通信―アメリカの看護教育・大学院生活・研究・1【新連載】
留学に至った経緯
岸 利江子
1
1イリノイ大学シカゴ校看護学部
pp.340-341
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100273
- 有料閲覧
- 文献概要
今月号より,毎月アメリカの看護教育雑誌『Journal of Nursing Education』の紹介をしつつ,アメリカの看護教育事情や学生生活について紹介します。渡辺薫さんと私の2人で担当します。
まずは自己紹介から
渡辺さんは,日本の看護大学を卒業後,外科病棟の看護師として4年間勤務した後,国際協力事業団によるカイロ大学小児病院プロジェクトのメンバーの一人としてエジプトに約4年間滞在しました。帰国後,エジプトで得た経験を系統的に考える機会を持ちたいと思い,イリノイ大学シカゴ校看護学部修士課程に留学,公衆衛生看護(とくに,国際保健・看護に焦点をあてて)を専攻しました。その後,シカゴ市内の病院で小児看護師として多国籍医療・看護チームの一員として働きました。入院してくる子どもたちの多くは,アフリカ系アメリカ人,またはメキシコ系アメリカ人で,その多くが生活保護を受けている家庭の子どもでした。
3つの国での看護の経験から,文化と人間発達,とくに乳幼児期の発達と文化の継承の関わりに興味を持ち,再び大学院に戻りました。博士論文では,ポルポト政権下のカンボジアで幼児期を,難民キャンプで学童期を,そして難民として移住したアメリカで青年期を過ごしたカンボジア人女性の体験と子育てを考察しています。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.