調査報告
「仲間づくりの赤ちゃん教室」の展開—母親の意識・態度の変容の検討
伊東 真理子
1
,
和田 由紀枝
2
,
加藤 浩子
2
,
上野 美千代
2
,
練合 正子
2
,
長岡 礼子
2
,
一島 志伸
2
,
大上戸 悦子
2
,
針山 節子
2
1富山医科薬科大学小児科
2富山市市民健康センター
pp.566-572
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901179
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
最近,合計特殊出生率の低下が社会的話題になったが,人口動態統計をみると,核家族化,少産化の中で生まれ,身近に母性行動を見る機会に乏しく,育児の実体験を持つことなく育った世代がすでに親になっている。母親たちは,かつて地域や家族の多様な人間関係の中で,自然に鍛えられながら体得する母親となる準備が不十分なままで,子育てに直面せざるを得ない。しかも,親や近親者から離れた土地に住み,親しい友人や隣人に恵まれない若い夫婦が多い。
一方,すべての女性は良き母親になるという社会通念がまだ根強い中で,現代社会の多量な情報の氾濫は心の負担となって孤立している母親を悩ませ,育児不安をあおっていく。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.