連載 看護のための集団力学入門・10
社会的態度の形成と変容
岡堂 哲雄
1
1聖路加看護大学
pp.104-110
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916556
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母性の願望と行動化
‘1年の計は元旦にあり’といわれる.新しい年を迎えるにあたり,人びとは秘かに,あるいは家族や友人たちの前で,ことしこそはしかるべきコトを達成したいと誓う.しかし,早ければ数日後に,多くは数週間後に,その誓いが守られていないことに気づく.かかる人びとを見ると,ほとんどの人が自分と同じらしいと思い込むことで,慣習的な社会生活を続ける人もあるだろう.
また,自分の怠け癖や意志の弱さを嘆き,自分のあり方に絶望し,社会関係から後退する人もある.この自閉化傾向とは反対に,自分の誓いを維持できないのは,自分に問題があるからではなく,世間が悪いからだ,と合理化の機制にすがって,いっそう傲慢に生きる人も少なくない.
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