特集 子供の成人病予防
子供の食生活と成人病予防
坂本 元子
1
1和洋女子大学
pp.605-609
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900283
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慢性疾患と食物摂取の変貌
衛生統計に示される死亡原因の上位を占めているのは,悪性新生物,次いで心疾患,脳血管疾患となっており,悪性新生物を除いては循環器系の障害によるものである。慢性疾患の増加に対し,国では早くから個人の健康管理の奨励とそのための環境づくりとして,1978年より健康づくり推進事業をおしすすめ,健康の自己管理を提唱してきた。
つまり慢性疾患の発生の背景には,長い間の食物摂取の過剰や偏りがあり,一方,消費エネルギーの減少,生活リズムの不規則性,ストレスなどがあることが多くの調査で明らかにされていることから,これらの原因が個人の生活に負うところが多いため,自己管理の奨励がなされてきたものである。
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