特集 学齢期の子供と現代社会
現代の子供のからだ—小児成人病を中心に
玉沢 昭
1,2
Akira TAMAZAWA
1,2
1多摩市学校保健会
2桜ケ丘記念病院内科
pp.296-300
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900334
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
近年疾病構造の変化に伴い,学童においても結核を中心とした伝染性疾患は著減し,代わって心臓障害,腎疾患,貧血や小児成人病といわれる疾患群の早期発見が行われるようになった.現代社会で大きな問題となっている成人病のうち癌等の腫瘍性疾患を除く疾患は,実は子供の時からの食生活の欧米化,富栄養化と運動不足等の生活習慣に基因して,すでに小児期から少しずつ進行していることが明らかとなって来た.厚生省でも小児成人病研究班を組織してその対策に乗り出し,全国の予防医学協会を通じて小児成人病予防検診を試みている.小児成人病という言葉になじみの少ない読者も多いと思われるので,日本学校保健会脂質等代謝委員会(委員長:大国真彦教授)による小児成人病の定義について説明をしておく.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.