特集 現代の食生活
子供と食生活
村田 光範
1
Mitsunori MURATA
1
1東京女子医科大学附属第2病院小児科
pp.442-445
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207719
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はじめに
子供と食生活というと,筆者のように小児科医であれば,どうしても子供と栄養という観点に立ち勝ちである.しかし,よく考えてみると栄養は食生活を通して子供の体に取り込まれるのであり,食生活を抜きにしては子供の栄養を考えることができない.にもかかわらず,栄養に重点が置かれていたのは,かつては子供に与えるのに十分な栄養がなかったことが大きな理由であったと思われる.ところが,最近では飽食の時代といわれるほどに食べるものが豊富になっており,これに加えて先進国型生活様式である都市型文化生活が日本の隅々まで普及,発展していることが,子供の食生活に大きな影響を与えており,食生活自体が健康維持増進のみならず,時には逆に健康障害につながるという意味で重要になってきたのである.
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