特集 心疾患最前線
心疾患予防のための食生活
須賀 ひとみ
1
1国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部
pp.203-207
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208384
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虚血性心疾患のリスクファクターには,肥満,高血圧,糖尿病,脂質異常症,メタボリックシンドローム1)などがある.これらのリスクファクターおよび虚血性心疾患の予防には適切なエネルギーおよび栄養素の摂取が不可欠である.
日本人成人を対象としたエネルギー,栄養素の適切な摂取量の目安としては「日本人の食事摂取基準」がある.最新版の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(以下,食事摂取基準2015年版とする)は,これまでの策定目的であった生活習慣病発症の予防に加え,保健指導レベルの生活習慣病を有する者の重症化予防も視野に入れて策定されている2).以下,健康人および保健指導レベルの生活習慣病を有する者における虚血性心疾患の一次予防のための食生活について,食事摂取基準2015年版に沿って述べる.要治療レベルの生活習慣病を有する者に関しては,食事摂取基準2015年版とあわせてその疾患の治療ガイドライン等を参照いただきたい.
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