特別寄稿
電話による高齢者の精神保健相談の現状とあり方[1]—老人電話相談マニュアル
平吹 登代子
1
1東京都立中部総合精神保健センター
pp.65-73
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900185
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はじめに
高齢者の急速な人口増加に伴い,その対策についての取り組みが急がれている。精神保健の問題についても同じで,高齢になると身体的機能の衰えばかりでなく,精神的問題を抱えがちになり,その数は人口が2倍に増えると4倍になると言われ,高齢者福祉対策と合わせてすすめなければならない。
都立中部総合精神保健センター(以下,当センター)では,高齢者の精神保健相談を受けている。その主な活動は電話相談と来所面接相談である。高齢者の電話相談は他の精神保健相談とともに電話相談として組み込まれ,20数名のスタッフが当番制で行なっている。来所面接相談は,電話相談の中から来所面接を予約した高齢者のケースに対して,5〜6名のスタッフからなる老人専門相談チームがその対応にあたる。概ね65齢以上,65齢以下であっても老人の問題として受けとめたケースを含めての来所面接相談は,他の精神保健相談と比べて本当に少ない。
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