特集 家族への援助—家族療法を中心にして
家庭内暴力事例への援助
光元 和憲
1
1千葉県八千代病院
pp.549-554
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900086
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はじめに
筆者は臨床心理士として,小児科と精神科でそれぞれほぼ10年ずつ,計20年近く心理療法に取り組んできた。かつて小児科で心理療法に携わっていた10年以前にも,家庭内暴力の症例に取り組む機会があったが,当時は患者本人に対する個人療法と,家族(主に母親)に対する個人療法を平行して行なう「母子平行面接」のスタイルをとっていた。
ところで筆者がシステム論的家族療法2)の訓練を受け始めたのは,今から5年前のことであるが,ここ数年は,家庭内暴力の症例に対しても,患者と家族が同席して面接するスタイルで家族療法を行なう機会が増えてきた。
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