特集 事例検討と事例研究
自主研究グループによる事例検討と事例研究の実際
杉山 郁子
1
,
星野 ゆう子
2
,
伊藤 真由美
3
,
小野 佐幸美
4
1静岡県厚生保育専門学校
2神奈川県茅ケ崎保健所
3新潟県湯之谷村役場
4東村山市役所
pp.371-379
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900061
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はじめに
“家族支援”をテーマに事例検討会をもつようになって,約6年が過ぎた。筆者らは月1回自分たちの地域実践例を,東京,神奈川,新潟,静岡からもち寄り事例検討会を重ねてきた。そこでは互いに率直に事例をたたきあい,実践から引き出されることを大切に,実践に役立つ支援の方法論を理論化し,具体化することを目指してきた。
西1)が,保健婦のための学術活動と論文のすすめの中で,「学術活動は,実践と直結していることから,研究目的が先験的に与えられるのではなく,実践している事実の観察,記録からの始まり,そこから研究課題が抽出され,研究目的が設定されるところに特徴がある」と実践からの出発を強調している。一方,家族に関する過去の研究の蓄積を生かし,それらを検討活用し,事例と照らし合わせていく中から気づきや学びを深めていくことが重要である。
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