The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 10, Issue 2
(February 1976)
Japanese
English
研究と報告
グループ活動の検討
A Consideration of group-therapy
大丸 幸
1,2
Miyuki OHMARU
1,2
1九州リハビリテーション大学校
2福間病院
pp.163-165
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101174
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緒言
分裂病の治療に関して,向精神薬が症状を潜在化又は鎮静化させるといった治療的効果は充分期待できるが,再発予防という点に関しては,いまだ充分にその効果は期待できないのではないだろうか.私達は,分裂病と深く因果関係をもっと考えられる患者の不健康な生活のあり方を改善していくことが重要だと思う.そこで,患者の日常生活に直接働きかけていくといった側面から作業療法をながめてみたいと思う.
不健康な生活を改善させるということは,結果的には分裂病に対する自然治癒力を促進させることにつながるのかもしれない.これは又,再発予防にも有効であると思われる.分裂病の不健康な生活は,一つには人間関係のまずさとして,もう一つは仕事を通して自活する能力を欠くといったことにもみられる.そこで私達は,患者の日常生活の中から少しでも多くの生活情報を見い出し,そこに焦点を合わせた作業活動を通じて,その改善を図る方法があると考える.そうした生活情報を十分に把握した上で適切な働きかけがなされるならば,そこには,おのずから治療效果も期待されていいのではないだろうか.
ところで,最近,作業療法において,作業活動の使われ方が,そのおしつけによって害になるといったことが問題になっている.そういったことに関して,自由活動を原則としたグループのOTを体験したので,pilotstudyとしてまとめたところを報告する.
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