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生きる―ひとり床屋
田邊 順一
1
1日本写真家協会
pp.349-352
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900056
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笠井栄一さん,91歳。東京代々木の裏通りで床屋を始めて68年がたった。だが,つい1年ほど前,椅子の背に“臨時休業”の木札を下げた。
大正10年の開店以来,小僧も置かずに何から何までを1人でやってきた。だからか,いつの頃からか,“ひとり床屋”と呼ばれるようになっていた。常連客では初代の中村吉右衛門さんがいる。その娘の正子さん(先代幸四郎の妻)の産毛も剃ってきた。開業医の市川先生もその1人だ。
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