事例研究会に学ぶ1. 大阪・中沢先生を囲む自主勉強会より
分裂病のMさんが自立をめざすまで
中村 真由美
1
1大阪府大東市大東保健所
pp.230-239
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207503
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Mさんのプロフィール
Mさんは,府立N病院に入院して,作業療法をうけている,物静かな男性(51歳)である。
昭和10年生まれで,7人兄弟(兄2人,姉1人,弟2人,妹1人)のまん中(三男)。工業高校卒業後,就職した会社が倒産。25歳ごろ精神分裂病を発病し,K医大に,3年間入院した。結婚歴はない。退院後は,映画館のアルバイトをしたり,ゲームセンターに勤めたりしていたが,やがて他市のアパート住いから,実家(末弟がそこで寿司店を営む)に帰って来た。昭和53年(43歳),結核となり,府立H病院に,半年間入院した。退院後しばらく魚釣りなどして遊んでいたが,だんだん家に閉じこもるようになった。そのころ「えらいことになった……」と独語しながら,階段を昇ったり降りたりして騒がしかった。
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