ベッドサイドの看護
若い精神分裂病患者の甘えから自立への援助
平岡 慶子
1
,
角田 伎美
1
1杏林大学医学部付属病院精神科病棟
pp.432-435
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916989
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Ⅰ.はじめに
当大学医学部精神科が,精神衛生センターに改革発足してから約3年,その院内入院部門における治療チームの一員として,私たち看護婦はがんばっている.取り扱う疾患が,心の問題であり,個々の育った人間関係に深いつながりがあるため,難問に突き当たっては申し送りで,またカンファレンスで意見の調整や他の専門分野の人たちの援助を得て,徐々にではあるが,精神力動医学にふさわしい看護をしようと日々努力している.
特に,本年7月に病棟が男女混合形式に切り替えられてから,例えば新しく入院した女性患者が同性である看護婦に向ける攻撃的言動には,驚くべきものが認められる.病者,特に患者の心の奥深くにある問題から,そのような言動が生じるのだと理解し,そのような行動を通して,病者が何を求め,何を訴えようとしているのかを知る事に努力してきた.
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