精神医療の課題
慢性分裂病か分裂病後遺症か
金子 嗣郎
1
1東京都立松沢病院
pp.75-79
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205762
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入院中心から地域中心への流れのなかで
精神医療の転換,すなわち入院中心主義から地域中心主義への転換が叫ばれてすでに久しい.
このような入院中心から地域中心への転換は,精神医療において始まったというよりは,むしろ精神科以外の一般科(と呼んでおく)に始まったものであり,またわが国において叫ばれ始めたというよりは,むしろ医療の組織化がすでに進んでいたイギリスから始まったのである.昭和38年の日本医学会総会でイギリスのBanksは,入院中心主義から地域中心主義の医療への転換を説いていたが,当時,私を含めて精神科および一般科の臨床医にしても,どれだけその必要性を感じていたかは疑問であろう.
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