連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から
Kさんの自立
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.94
発行日 1987年1月25日
Published Date 1987/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207062
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Kさんから,「これからは迷わずに3人の子供を育てていきます」と明るい声で電話がかかってきた。2か月前に出産した3男を乳児院から養子に出そうと決心していたKさんだが,悩み抜いた末に翻意して,自分で育てようという結論に達したのである。Kさんにとって,この2か月間は,親と子のきずなの深さを?みしめながら過ごした日々だったに違いない。
今回の妊娠を契機に,Kさんは2人めの夫と別れた。しかも,前夫とのあいだにもうけた2人の男児(6歳と3歳)をかかえているので,3人の子供を自分1人で育てられるかどうか常に不安が付きまとっていた。
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