連載 呆け老人の地域ケアの方向を探る・4
埼玉県所沢市における在宅呆け老人・家族の実態調査(3)
高崎 絹子
1
,
野川 とも江
1
,
佐々木 明子
1
,
安田 美弥子
1
,
内田 英子
1
,
伊藤 景一
2
1埼玉県立衛生短期大学
2東京女子医大看護短期大学
pp.392-402
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207325
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〈C.介護者・介護状況および保健福祉サービス〉
1)老人の家族と介護状況
(1)介護主担者の性,年齢,老人との続柄など
主たる介護者は,「嫁」「妻」「娘」を合わせると全体の85.6%に達し,女性の占める割合が本調査でも高率であった。介護者の平均年齢は53.5歳であり,年齢階層別では表24のとおり40歳代が91人(29.7%)と最も多く,次いで50歳代76人(24.8%)であり,両者で5割以上を占める。70歳代以上の高齢の介護者は1割以上を占めているが,この割合については中島らの調査14)と同様の傾向を示した。高齢介護者については,家族内対応力が低いなど,介護上多くの問題を抱える点で注目しなければならない。
介護者の老人との続柄は表25のように「嫁」133人(43.5%),「配偶者」81人(26.4%),「実子」70人(22.8%)であり,組み合わせで多いのは,「嫁—姑」105人(34.3%),「妻—夫」72人(23.5%),「娘—母」46人(15.0%)である。老人が男の場合,介護者は妻(63.2%),嫁(24.6%),娘(9.6%)の順になっているが,女の場合は嫁(54.6%),娘(24.7%),夫(4.7%)の順になっている。なお老人が女の場合,東京都のねたきり老人調査15)では介護者は嫁(43.3%),娘(37.8%),夫(10.1%)で,本調査の方が嫁の割合が高く娘の割合が低くなっており,地域の特性がみられた。
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