連載 重点地区活動—地域がどよめき,芽吹く・10
地区活動
重点地区活動の展開のために—重点地区の選定
新田 則之
1
1島根県益田保健所
pp.386-391
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207324
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1.「重点地区活動」とは
島根県で広く展開されている重点地区活動は,「現代の保健医療・福祉政策の本質をみすえながら,憲法25条の理念を大切にしつつ,市町村の一地域を対象にして,住民・自治体・保健所などの関係諸機関の共同保健体制のもとに,その市町村の縮図として位置づけ,科学的な地区診断の理論にもとづき継続的に展開する保健活動であり,その取り組みの過程で生み出された組織や体制,理論と実践,経験と教訓などが深化,波及し,総合保健活動へと発展するひとつの過程」と整理することができる。
このように,「重点地区活動」を展開していくためには,「重点地区」と呼ぶ,「市町村の一地区」を選ばなければならない。これは,「地域での組織的努力」という公衆衛生の原則をふまえるかぎり,「地区」という活動の基本的視点が保健活動全体に貫ぬかれなければならないからである。
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