調査報告
宮城県仙台市における在宅寝たきり老人の実態調査
武田 俊平
1
,
渡辺 紀久子
2
,
土屋 眞
3
,
田山 澄夫
2
Shumpei TAKEDA
1
,
Kikuko WATANABE
2
,
Shin TSUCHIYA
3
,
Sumio TAYAMA
2
1仙台市衛生局若林保健所
2仙台市衛生局太白保健所
3仙台市衛生局青葉保健所泉支所
pp.496-499
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207981
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●はじめに
近年の日本では,大正9年の第1回国勢調査以来昭和30年までの半世紀以上もの間,65歳以上の老人人口の割合は5%前後を保っていたが,昭和40年に6%,昭和45年に7%,昭和50年に8%,昭和55年に9%と5年ごとに1%ずつ増加し,昭和60年にはついに10%を越えるに至った.それとともに,在宅寝たきり老人が急増し,家庭内介護の需要がますます高まっている.さらに,昭和40年頃からの高度経済成長に伴い,人口の流動性が増し,核家族世帯の割合が昭和30年の45%から昭和60年の61%へ増加した結果1),家族の介護能力の低下などが生じ,寝たきり老人の問題が一気に社会的に表面化するようになった2,3).
今回,仙台市(昭和61年10月10日現在,人口688,881人,うち65歳以上の老人人口割合7.9%)において作成した「寝たきりまたはそれに近い状態にある老人の調査票」に基づき,訪問調査した.寝たきりの原因疾患,寝たきりの期間,日常生活能力(ADL),介護者,家族構成などについて分析し,寝たきりの予防,介護体制の整備について考察を加えたので報告したい.
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