連載 呆け老人の地域ケアの方向を探る・5
呆け老人・家族の援助事例から通所事業への展開—埼玉県草加市の場合
田嶋 光枝
1
,
大久保 茂子
1
,
高橋 節子
1
,
平岡 フミ子
1
,
池田 初枝
1
1埼玉県草加市環境経済部保健対策課
pp.476-483
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207338
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はじめに
うろうろと歩きまわったり,つじつまの合わないことを言うなど,問題行動の多い呆け老人を抱えて戸惑い,悩み,そして介護に疲れてしまった時,家族が老人を入院させたり,あるいは老人ホームに入れてしまいたいと思うのはごく当然のことである。特に介護者が老齢の配偶者である場合は,体力的にも気力の面でも事態に対応していく能力が低いために,早期に生活の破壊の危機にさらされる。
本稿で事例として取り上げる斉木さん(仮名,以下同じ)の場合も,経済力があり,比較的恵まれた条件があるにもかかわらず,介護者である夫は毎日の仕事と,家事の負担や妻の世話に疲れ,将来の不安におしつぶされそうになって,援助を求めてきた1人である。
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