連載 重点地区活動—地域がどよめき,芽吹く・5
重点地区活動と保健所保健婦の関わり—若い保健婦が活動の中でつかんだもの
勝部 かつこ
1
1島根県出雲保健所
pp.1012-1019
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207252
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1.保健所保健婦となって
私が保健婦をこころざしたのは,人々の生活にふれながら,その健康を守る活動をしたい,という思いからでした。保健婦になって初めての勤務地は,管内に山間へき地の多い保健所でしたが,地域の地理,言葉,習慣などに慣れるのに精いっぱいでした。
島根県では全県的に保健所と市町村が共同で高血圧対策に取り組んでいました。循環器健診の多くの部分を保健所が受託していたので,私は健診,事後活動,そして脳卒中発症調査へと,町村保健婦と協力して仕事に取り組みました。しかし一所懸命に仕事をしているのに「地区とのつながりがうすい」「健診を受ける人が固定化する」「若い世代から脳卒中が発症する」などの悩みと共に自分自身と住民との間にワンクッションがある感じを捨てられませんでした。住民とつながった仕事をするためには,もっと地区の人々の生活の中に入り込まなくては,とあせりを感じる毎日でした。
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