連載 重点地区活動―地域がどよめき,芽吹く・24
重点地区活動と保健所—行政の役割について
竹内 俊介
1
1島根県黒木保健所
pp.860-865
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207608
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はじめに
1981年,第二臨時行政調査会が発足し,その答申をもとに,政府は国の財政再建を強力に推進してきた。医療,福祉,保健など,生活に密着した分野でも,行政の役割について見直しが行われてきた。内容はいずれも,国民に「自立自助」,「相互扶助」を求め,「国民の多様なニーズに民間活力(商業ベースのサービス)によって応える」というものである。憲法第25条の精神が骨抜きになるとの批判が強い。
私たちは,離島へき地の保健所で,住民の命と健康に責任を持つべき行政の一員として,日々,住民のニーズと行革政策との間にはさまれながら,少しでも地域の公衆衛生の向上につながれば,という思いで活動をすすめている。黒木保健所の活動を紹介しながら,保健活動における行政の役割について考えてみたい。
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