連載 保健活動の〈見直し〉から〈見通し〉へ・10
住民の立場でチーム医療のあり方を考える—場的視点施設内ケア活動を捕える
花岡 真佐子
1
,
西村 かおる
2
,
丸地 信弘
3
1慶応大学医学部附属厚生女子学院
2東京衛生病院
3東京大学医学部保健学科
pp.197-205
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206796
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はじめに
今回のシリーズでは,保健医療活動をすすめていくとき,提供側と受け手との間でくり広げられる相互作用や組織的関係をダイナミックに捕える視点について話をすすめてきた。
1983年11月号2),12月号3)では個別的ケア活動をとりあげ,現場ワーカーと住民の二者間に形成される相互作用の場である<活動の場>を意識する視点と,それを意識することにより日々の実践活動に臨む態度はどうあったらよいかを説明した。また,1984年1月号4)では住民の生活の場に注目し,彼らが健康問題を解決(改善)するために,どのような動きがあり,提供側とどうかかわりがあるかを検討した。そして,その動きを機能的に捕えるためには,住民・住民組織・提供側の三者間に形成される相互作用を意識する視点を説明した。さらに2月号5)では住民が自ら行うセルフケアに注目し,提供—受け手双方の自立と主体性により望ましい人間関係を結び,常に対等な立場で認め合うことが,保健医療活動を展開するうえに重要であることを述べた。
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