連載 プライマリー-ヘルス-ケアの日本的展開をさぐる・4
保健活動における住民の主体的参加
島内 憲夫
1
,
中島 紀恵子
2
,
松田 正己
3
,
丸地 信弘
3
1順天堂大学体育学部健康学科
2千葉大学看護学部
3東京大学医学部保健学科
pp.200-209
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206354
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
プライマリー-ヘルス-ケア(PHC)とは,地域に住む個人や家族が受容できる形であまねく受け得る基本的保健ケアのことであり,それは住民の積極的参加とその国でまかなえる費用で運営されるものである。PHCはそれが核となり構成されている国の保健システムおよび地域全般の社会・経済開発などの一つの必須部分を成すものである。これは,WHO/UNICEFが提唱しているPHC概念の理念である1)。
著者らは,この理念に支えられて"プライマリー-ヘルス-ケアの日本的展開をさぐる"というこのシリーズで,まず保健活動<見直し>の新しい視点としてPHCの4原則を紹介し,その活動評価への活用について述べた2)。それに引き続き,PHCの4原則のうち最も基本的な第1原則の"ニード指向性のある保健活動"3),そして第3原則の"有限の資源の有効・効率的活用"4),などにつきその原則的な考え方を示した。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.