BOOKS in Review
『傷を愛せるか』
西村 多寿子
pp.68-69
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101674
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精神科医・医療人類学者の「傷」をめぐる旅
「傷」に向き合う
雑誌をパラパラとめくって旅行記や映画批評、あるいは海外での生活体験をつづったエッセイを読むとき、そこに書かれている内容自体がおもしろければ著者の略歴は気にしないことが多い。だがこのエッセイ集は、精神科医で医療人類学の研究者、臨床では性暴力や家庭内暴力の被害者とかかわることが多い女性が書いたことを知っておくほうが、旅や映画を通して著者が真に語ろうとしていることは何かを考えることができそうだ。
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