第6回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【ワークショップ:高齢透析者の透析―安全・安楽をめざして】
5.家族ケア―高齢透析患者を支える家族の介護負担の実態調査から家族ケアを考える
富樫 たつ子
1
1三浦シーサイドクリニック
pp.39-41
発行日 2004年4月15日
Published Date 2004/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100179
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Ⅰ.はじめに
2002年度末の『わが国の慢性透析療法の現状』によると,65歳以上の患者の占める割合は45.6%と約半数を占め,導入年齢においても55.6%である1)と報告され,透析患者の高齢化も年々増加傾向にある.2000年にスタートした介護保険の第1号被保険者における利用率は31.4%で,それ以外の約7割は自立している場合も含むが,家族によるなんらかの介護や協力を得ていることになる.介護保険の必要性の程度もさまざまであるが,透析患者の場合,通院から食事,服薬管理に至るまで在宅で行うことが多く要求され,高齢となればその能力の低下をきたすため,家族によるサポートが必要になってくる.
2001年に当施設での介護保険利用状況を調査した結果によると,第1位通院介助(46%),第2位訪問介護(22%),第3位通所リハビリ(10%)であった.同時に未利用者に介護不安の内容を調査した結果では,第1位通院(42%),第2位介護者の存在(19%),第3位介護者の健康(16%)の順であった.どちらの結果からも維持透析による介護負担の要因として,週3回の通院の問題が圧倒的に多い状況であった.
一般的に介護を負担と感じる要因としては,時間的拘束や高齢化・少子化による老老介護などがあげられる.家族による介護力や介護負担などを十分に理解し支援していくことは,在宅医療の維持には必要不可欠である.
そこで,当グループの施設に通院している65歳以上の第1号被保険者に該当する患者家族の介護負担感について調査を実施し,介護保険の利用の有無による負担の程度を比較した結果から,家族支援について検討を行った.
Copyright © 2004, JAPAN ACADEMY OF NEPHROLOGY NURSING. All rights reserved.