Japanese
English
研究と報告
介護家族負担感尺度の作成
Development of the family caregiver burden scale.
坪井 章雄
1
,
村上 恒二
2
Akio Tsuboi
1
,
Tsuneji Murakami
2
1独立行政法人国立病院機構呉医療センター
2広島大学医学部保健学科
1National Hospital Organization Kure Medical Center
2Institute of Health Sciences, Faculty of Medicine, Hiroshima University
キーワード:
在宅介護
,
介護負担感尺度
,
介護者
Keyword:
在宅介護
,
介護負担感尺度
,
介護者
pp.447-454
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100098
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はじめに
在宅痴呆老人や高齢障害者の介護の主たる担い手がその家族という状況は,日本と欧米においても変わりはない1,2).そのために,欧米で開発された介護負担感尺度の日本語版がリハビリテーションや看護などの分野で用いられてきた.しかし,「介護負担感尺度」は,そもそも介護家族を対象とした質問紙を用いたアンケート調査である.したがって,データには文化や国民性の違いが反映されることが予想される3,4).また,介護者役割の意味を簡単に欧米と同質化することはできないことも指摘されている3).このような違いがあるなかで,欧米の介護負担感評価尺度を日本語訳し,そのまま信頼性・妥当性を検討しただけの評価尺度を用いることの危険性があろう.一方で,時代の変化とともに,調査の結果が変化することも考えられる.また,2000年4月より導入された介護保険法における各種在宅サービスなどにより,日本の在宅での介護者の状況に変化が生じている状況を考えると,日本の文化や国民性にあった新たな介護負担感尺度の開発の必要性は高い.しかし,介護保険実施以降の介護状況のなかで,新たに日本で開発された介護負担感尺度はみあたらない.
本研究は,介護保険施行による日本の介護状況のなかで,老人を介護する家族の負担感を評価する尺度を新たに開発することを目的とした.
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