連載 保健活動の〈見直し〉から〈見通し〉へ・26
主体的な発想による総合保健論—学問・実践・研修の一体化
丸地 信弘
1
,
中川 ロイ
2
,
松田 正己
1
,
渡辺 ひろみ
3
,
衛藤 幹子
4
,
西川 かおる
5
1東大医学部保健学科
2東大工学部船舶工学科大学院
3東京都中央区中央保健所
4伊藤病院
5衛生病院
pp.958-969
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207076
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はじめに
"保健活動の〈見直し〉からく見通し〉へ"をテーマにしたこの連載も26回を数え,今回はその終盤を迎え「総合保健論」を語ることになった。従来,世の中には人々の"願い"を込めた総合的論調は多い。私たちがここで述べることも,それと軌を同じくするが,本稿では言葉にモデルを組合わせ,人間的に共通な総合的イメージにそって保健問題を全体的に捉え,総合的接近をする考え方を総合保健論として語りたい。
幸い,この連載では昨年あたりから人間的な視点に近い〈第3の視点〉,それを基盤に今年に入って総合的認識の過程をあらわすく第3の自然史〉,そして数号前からTwo in Oneモデルによるまとまりある捉えを端的にイメージ化して表わす基本的な考え方を提案してきた。ことに,前回には,従来の連載で述べていたわれわれが問題接近に用いる視点・立場性・姿勢などを,人間的な共通感覚で統一的に表現する「鍵」になる〈CORE(コア)的発想〉を紹介した。これは人間の主体的発想である。
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