調査
老人保健法と市町村保健婦業務—京都府下市町村保健婦の声
大石 仁美
1
,
金辻 美津枝
2
,
斉藤 洋子
3
1南山城村役場
2田辺町役場
3宇治市役所
pp.42-50
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206622
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1.はじめに
高齢化社会の到来を迎えて,"健やかな老後"保障のために,"保健と医療の包括的適用"による老人保健制度の確立をめざすとして登場してきた老人保健法は,いよいよ2月から実施されるはこびとなった。全国各地域での対応は如何なる状況にあるだろうか。
私達は老人保健法案が登場してきた当時より,法案の内容及びつくられた背景を詳細に学びたいという多くの会員の要望により,老人問題一本にしぼって研修会を重ねてきた。その過程でさまざまな問題点や疑問点が会員の間から出されるにいたった。そこで,そうした問題点や疑問点を整理し,老人保健対策を現場で取り組んでいくための道筋をあきらかにする取り組みの第一歩として,京都府下の現場の実態を明らかにする取り組みをとりあげた。即ち,京都府市町村保健婦協議会に設置された事業部実態調査委員会で,何度か議論をかわしたうえでつくりあげた調査表をもちいて,昭和57年7月,全会員を対象として,老人保健実態調査を実施した。本報告では,その調査によって明らかになった京都府下市町村に働く保健婦の業務の実態と,老人保健法に対する保健婦の意識の実態について,その概要を紹介する。
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