調査
政令市保健所実態調査に取り組んで—自治体に働く保健婦のつどい
菊地
pp.51-76
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206623
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調査に取り組んだ動機
「保健婦に保健所全体の質問をしたってわからないよ,保健所の機構や事業が変わっても保健婦だけは関係ないといった顔をしているからね……」保健所職員の集まりに参加すると,このような意見をよく耳にします。言われた時は少々腹が立ちますが,同じ保健婦の仲間からも,「保健所で働いているのに保健所がちっとも見えてこない……。」という悩みが最近数多く聞かれるのも事実です。
昨年の5月に開かれた全国保健所問題研究交流集会の分科会でも,ある政令市の保健所保健婦から次のような話が出ました。「委託事業が増えているためか,住民の健康実態がますますつかめなくなった。これから保健所はどうなるんだろうか……。」この分科会では各保健所の実態報告が行われましたが,自治体の機構の違いからか,一つ一つ細かく質問をしないと,話された実態をよく理解することができないといった具合で,同じ《保健所》という職場で仕事をしていながらいかに他の保健所を知らないか,改めて思い知らされた集会でした。
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