特集 保健所保健婦
地区の要求にこたえる働き方をめぐって
何故忙しいのかを検討する
市町村保健婦との連けいのなかで
宮川 キクノ
1
1新潟県・新津保健所
pp.38-39
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202773
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保健所保健婦は何をすればよいか,保健婦業務の究極の目的は市町村保健婦,保健所保健婦たりとも変る筈はない.しかし置かれている環境は違っている.
この二つの異った職場にあるそれぞれが同じ一つの目的に向って働くには,それぞれの役割が分担されることは必然的なことであろう.管内市町村の保健婦が充足するに従って,保健所保健婦の役割が変ってくることは当然のことである.以前市町村保健婦の不足の頃は,保健所保健婦も市町村保健婦の手となり足となって,市町村の計画による諸検診に従事し,家庭訪問にも足しげく出掛けたものであるが,現在においては市町村に理想の線まではゆかなくても,ある程度保健婦の充足をみて,それ等の仕事には保健所保健婦は,全然やらないわけではないがそう多くを要求されなくなってきた.それでは市町村保健婦との協同活動によって,地区住民の健康管理に当っている保健所保健婦は何をすべきだろうか,市町村保健婦は市町村においては唯一の技術者である.つまり市町村において公衆衛生の全般に亘って理解し得るものは保健婦のみであるため,スタッフであると同時に,一方衛生課長の技術補佐の役をも演じなければならない.従って地区の公衆衛生のすべてに参画し,計画,実施の中心となっている.
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