調査報告
高血圧を示した中学生の青年期における追跡調査
千葉 ノリ子
1
,
冨永 詩郎
1
,
沓沢 尚之
1
,
池田 慶子
2
1秋田県立脳血管研究センター内科学研究部
2秋田県河辺郡雄和町役場
pp.711-713
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206561
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はじめに
本態性高血圧は,成人に達してから発症する疾患と考えられてきた。しかし小児の血圧は,身長や体重と同様に,年齢とともに上昇していくので1,2),成人の高血圧の基準をあてはめるべきではないとされ,このような観点からすると,本態性高血圧は小児期からすでに始まるものとされるようになっている2,3,4)。
脳卒中の最大の危険因子が高血圧であることは,すでに疫学的研究によって確立されている5,6)。私たちが循環器検診を行っている雄和町では中高年者層に脳卒中が多発している。その基礎として少年期からの高血圧が関係しているのではないかとの考えから,昭和39年と昭和48年に全町の中学生の血圧を測定し,さらに今回8年あるいは17年経過した対象者20〜22歳と29〜31歳の血圧を追跡調査して,中学時代の血圧との関連について分析したので報告する。
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