特集 老人・成人をめぐる保健婦活動
研究
脳卒中発症前の血圧の経過
千葉 ノリ子
1
,
池田 慶子
2
,
冨永 詩郎
1
,
沓沢 尚之
1
1秋田県立脳血管研究センター内科学研究部
2秋田県河辺郡雄和町役場
pp.918-921
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206432
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はじめに
わが国では,死因の第1位を脳血管疾患がしめており1),その最も重要なrisk factorが高血圧であることは疫学的研究によって確立されている2,3)。
しかし,私たちが循環器検診を行っている地区で発症した脳卒中患者のうち,検診時の血圧が160/95mmHg未満の者(降圧剤服用中を含む)が25%をしめた4)。このようにおのおのの患者についてみると,脳卒中は随時血圧の値が高くなくとも生じうる。随時血圧が安定しているからといって,かならずしも脳卒中発症の危険がないとは言えぬものと考えられたので,さらに詳細に分析してみた。また血圧は日常生活において,きわめて著しく変動するので5〜7),この点から随時血圧測定の限界についても考察を加えたい。
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