特集 因習的活動の見直しを図る
PHC的視点による発想の転換で《活》を
PHC的分析による患者ニードに指向した院内教育プログラムの見直し-バセドウ病入院患者指導を素材として
衛藤 幹子
1
,
松田 正己
2
,
丸地 信弘
2
1伊藤病院
2東京大学医学部保健学科
pp.415-425
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206380
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
質の高い医療を行うには,疾病に対する直接的な診療技術の提供に並行して,患者のニードに即した保健サービス活動がされなければならない。そのため,I病院では専門病院という患者の個別ニードに対する治療中心の医療活動の場において,1980年よりバセドウ病入院患者保健指導活動を開始し,患者の保健ニードに応える集団ケアを試み,成果をあげている。
さて,これまでこの種の保健活動は,①活動目的(ニード解決)②活動手段(技術や技法)③活動方法(ケアの内容やあり方)の3要素をセットにした方法で取組まれてきた1)。つまり,保健ワーカーはこれら3要素に基づいて,活動を計画し,実施にうつし,評価してきたのである。ところが,この方法では提供側が一方的にサービス(ヘルス-ケア)を押しつける活動形態になることが多く,また質よりも量,活動過程より結果を重視する一面的捉え方をしがちである。そのため,活動はマンネリ化し発展性を失い,労力に比較して効果のあがらないものとなりやすい。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.