連載 プライマリー-ヘルス-ケアの日本的展開をさぐる・2
住民ニードに対応した保健活動—ニード指向性のある活動であるために
中島 紀恵子
1
,
丸地 信弘
2
,
松田 正己
2
,
谷中 輝雄
3
1千葉大学看護学部
2東大保健学科
3やどかりの里
pp.971-979
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206315
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1.はじめに
保健・医療・福祉が,住民ニードを基盤に遂行される活動であるという原則を今さら新しい考えと受け止める人はいないだろう。しかし,この原則を活動過程で生かし切ることが,どんなに難しいことかも多くの人達が同意するだろう。
実際,この数年をふり返っても,われわれの間では,"住民主体の","住民とともに",あるいは"住民ニードを把握して"等々の論義1,2,3,4)がくり返されている。これらの論義の中心は,ケアのために用意した活動システムが,住民の日常生活に基づいた本質的なニードを吸い上げ切れないという問題に対して,打開のあり方を試行しているように思われる。
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