連載 "プライマリー-ヘルス-ケア"を考える・5
PHCの観点からみたわが国の保健・医療・福祉
丸地 信弘
1
,
松田 正己
1
,
阪上 裕子
2
,
久常 節子
3
1東大医学部保健管理学教室
2国立公衆衛生院衛生行政学部
3国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.199-205
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206097
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はじめに
わが国のPHCを考える基礎的理解として,私共はこれまでWHO/UNICEFのいうPHC概念1)及び世界のPHCの動向2)を紹介し,次にわが国の保健婦がPHCに対し持っている疑問にこたえ3),前号4)では従来わが国でいろいろ言われているPHC/PC概念をWHO/UNICEFのPHCの観点で整理・分析した。
これら一連の研究はWHO/UNICEFや先進国,途上国という国際的なPHCの動向をわが国の保健活動と結びつけ,将来進むべき方向性を探ろうとしたものである。そのためには,従来の断片的な諸外国の理解ではなく,統一的視点に立脚したWHO/UNICEFのPHC概念を十分に理解することが必要であった。私共はこのPHC概念を発想の幹にして,わが国の保健活動が持つ歴史的,国際的特徴を背景的条件として,国内のPHCについて考察を重ねてきた。
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