研究
離島(新島)における発達スクリーニング方法に関する研究
上田 礼子
1
,
小沢 道子
1
1東京大学医学部保健学科母子保健
pp.443-448
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206258
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I.はじめに
乳幼児期の発達は急速であり,また,身体的疾患の有無にかかわらずに発達は生育環境による影響を受ける。したがって,どの年月齢においても発達の遅滞や歪みは発現する可能性がある1〜3)という理由から,定期的な発達スクリーニングの必要性が認められてきている4)。すなわち,発達のスクリーニングは一般の子ども達の中から発達上に問題のあることを疑われる者を抽出し,必要なものを精密な健診に導き,さらに,これらの結果を治療・教育に結びつけることを目的とした仕事である。
近年,このようなスクリーニングを目的とした検査も種々考察されてきているが,その信頼性と妥当性が検討されている検査は数少ない状況である。著者らはすでにFrankenburg, K. W. 他によって開発されたDDST5,6)(Denver Developmental Screening Test)およびPDQ7,8)(the Denver Prescreening Developmental Questionnaire)を日本の子ども用に標準化し実用化してきている。今回の研究目的は,①発達評価を受ける機会に日常あまり恵まれない環境にある離島においてその有効な使用方法を検討し,②同時に,離島の乳幼児の発達的問題を把握することであった。
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