活動報告
職種に合ったトリム体操を考える—立業,坐業をとおして
大分県立厚生学院保健助産学科第十期生
pp.789-798
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206179
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I.はじめに
私達の生活状態は,文化水準の向上と社会構造の複雑化に伴い,身体的にも,精神的にも,過度のアンバランスが表われてきている。具体的には,仕事の単純化に伴った身体のかたよった部位の疲労の蓄積,モータリゼーションによる全身的な運動不足,身体各部の伸展不十分や,人間関係の複雑さによる精神的緊張が習慣となってリラックスできないなどがあげられる。これらを取り除くことで健康生を活の向上をはかる一手段となるのではないかと考えた。そこで,私達は全身のバランスをとり,体力増進をはかる目的でトリム体操に着目した。トリムとは,もともと船が海上でバランスをとるという意味だが,トリム運動は,船を身体におきかえ,身体的にも精神的にも健康な状態に保つという意味に使われている。トリムの基本は,歩くこと,軽く走ること,それにランニングだといわれている。身体を仲ばす,曲げる,ひねる,縮める,とぶ,はねるなど,思いきり身体を動かすことであり,これらは日常生活の中でも十分に実施可能だと思われるが,実施されていないのが現状である。
トリムするにはいろいろな側面からのアプローチがあると思われるが,私達は身体各部の疲労の蓄積に着眼し,これを取り除こうと考えた。
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