母子保健レポート 調査報告
子供の養育に関する母親の意識について(I)—沖縄県与那国町に関する調査
栗栖 瑛子
1
,
西村 眞智子
2
,
与那覇 しず
3
,
豊川 裕之
4
,
三宅 由子
4
1東大医学部保健学科精神衛生学教室
2東京家庭裁判所
3沖縄県八重山保健所
4東大医学部保健学科疫学教室
pp.219-227
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206102
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はじめに
与那国町は台湾まで170km,沖縄本島より520km,石垣島から127kmを隔て,総面積2,700アール,周囲27.4kmの日本の最西南端の国境にある,年平均気温23.0℃の高温多湿の亜熱帯海洋性気候の島である。
この島の歴史はつまびらかではないが,古くは"女護カ島"といわれ,1903年人頭税が廃止されるまでの約300年間,琉球王朝,島津藩などの支配下にあり,過酷な人頭税を課せられ,ために不具廃疾者の惨殺(人舛田),妊婦の選択的殺害(久部良バリ)などによって人口調節が行われていたという伝説のある島でもある1)。
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