母子保健レポート 活動報告
母乳栄養の実態とその確立への援助
小林 慧子
1
,
井上 千栄子
1
,
高田 満智子
1
,
小池 恵
1
,
荒島 真理子
1
,
船田 柳子
1
,
相馬 ふみ子
1
,
松山 セツ
1
,
條島 康代
1
,
伊沢 栄子
1
,
松浦 二枝
1
,
長坂 美奈
1
,
後藤 義英
1
1札幌市北保健所
pp.228-240
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206103
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はじめに
最近,母乳栄養について医療関係者の関心も高まり,目をむけられるようになった。昭和50年5月の業務研究会で,私達は保健婦として,母乳分泌を高め,母乳栄養を確立させるためにどのような働きかけをすべきか,ケースをとおして具体的な援助の方法を研究し,今後の保健指導に役立たせたいと考えた。
すでに周知のことと思うが,初乳にはラクトフェリン,各種免疫抗体,分泌型IgA,マクロファージ等,新生児の腸管に強力な感染防御機構を与えるという大きなメリットがあることで注目されている。厚生省では50年度から,母乳育児運動に本腰を入れ,2月1日に"母乳育児の効果に関する研究班"を発足させ,あわせて妊産婦への啓発,人工乳の誇大広告規制等,多角的に母乳復権運動が開始された。ちなみに昭和50年5月,当所における3か月健康診査時(200名)の母乳栄養率は20%とかなり低い値を示している。この事実を見極め,母乳栄養を継続し得ない諸因子を探究し,保健婦として援助の方法を研究・考察し,まとめたので報告する。
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