特集 助産婦学生がとらえた"日本の母"
子供の立派なホステスになれる母親に
宮市 和子
1
1長崎大学医学部付属助産婦学校
pp.23-26
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203358
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母子保健法も制定され"母性の尊重"ということがうたい出されている折柄"母親像"というものを改めて考え直してみたい.
昔読んだ少女小説の一連にいわゆる"ママ母"ものがあるが,当時私にはなぜ本当の子供とママ子を差別するのかよくわからなかったが,ママ子はいじめられるものとして考え,涙を流していた時代があった.助産婦学校に入学し,自分自身が産婦の陣痛発来時から傍について看護し実際に分娩介助に当たり,なるほど自分の生んだ子がかわいいはずという実感を持つようになった.俗にいう"ハラを痛めた子ほどかわいい"という奴であろう.私が将来自分の子供を生んでみるとなおさらよく理解できるのであろうが—.だからといってママ子いじめをしてよいというのではなくて理論として,自分の生んだ子と他の人が生んだ子供に感情的に差があるのは,肯けるということをいいたいのです.
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