特集 難病患者の保健指導=1
在宅難病患者の療養生活の実態と援助—膠原病,内臓疾患患者について
松野 かほる
1
,
島内 節
1
,
石塚 キミ
2
,
菊池 キミ
2
,
谷藤 郁子
2
,
伊東 寿子
2
,
増井 信子
2
,
大西 洋子
2
,
長尾 真理
2
1国立公衆衛生院衛生看護学部
2東京都台東区下谷保健所
pp.10-52
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206070
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はじめに
難病対策は昭和47年から各地方自治体において,国の"難病対策要領"に基づいてそれぞれ実施されてはいるが,医療制度や社会福祉制度上の問題あるいは特有な疾患のために,保健指導にあたっての知識や患者に関する情報が十分に得られないなどから,在宅難病患者に対する援助活動の必要性を感じながら,積極的に取り組むことに躊躇しているというのが現状ではないかと考える。
東京都では早くから診断・治療,そして早期発見および療育相談に関する機構についてなど広範囲にわたる研究を各方面に委託し,国の難病対策の方向に沿いながら独自の施策を行っている。その研究の一環として昭和51年から重松逸造先生(国立公衆衛生院疫学部長)を班長として"地域の特殊疾病患者に対する保健指導のあり方に関する研究"が始められた。筆者らはこれに参加し,地域ではまだほとんど手がつけられてはいないのではないかと思われる膠原病,内臓疾患患者を対象とし,主として家庭訪問をとおして,どのように援助活動をすすめたらよいか検討してきたが,2年余り経過したいま一応のまとめができたので,ここにその一端を紹介したい。
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