特集 社会医学
高血圧症および心臓病患者の療養生活の実態
小浜 泰子
1
,
斎藤 和子
1
1川崎市高津保健所
pp.599-602
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.緒言
最近の全国死亡の傾向をみると,結核・肺炎・胃腸炎その他細菌性疾患による死亡が著しく改善されたのに対し,老人性疾患および事故・自殺等外因による死亡が増加しているが,高津保健所管内においても同様の傾向がみられる(第1図)。またこれを訂正死亡率でみると,外の死因はすべて全国平均を下回るが,老人性疾患は全国平均より高い死亡率を示し,特に農村地区における高血圧性疾患・心臓疾患の死亡率が高く,これらの地区にあつては40歳〜60歳の比較的早い年代から死亡率が高いなど,老人性疾患に対する予防活動の必要性が痛感される。保健所が現在の人員,設備,業務量などからみて,どの程度,老人性疾患の予防にとり組んでいくべきかについては,種々論議のあるところであるが,いずれにせよ,その地域の実状と必要性にそつて具体策が考えられなければならない。そこで第一段階として,当保健所管内で脳卒中・心臓疾患で死亡した者がどの程度の療養生活をしていたか,病気に対する認識の度合,治療状況,生活規制の有無等を知る目的で,調査を行なつたので,ここに報告する次第である。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.